症例
噛みあわせに問題を抱えた患者さんが、当医院の治療で改善
昨年の10月25日発売の歯科雑誌「アポロニア21」11月号から、1年間の予定で「咬合力学」をメインテーマに連載中です。11月25日発売の12月号で掲載した、噛みあわせに問題を抱えた患者さんが、当医院の治療で改善した1例を紹介します。
この患者さんは、殆どの歯に被せ物の治療を受けていましたが、治療すればするほど頭を含め右半身に多くの症状が発現していました。そして、右下にブリッヂを入れた時から急激に症状が悪化したそうです。非常につらく、もう治らないのではと悩んで来院しました。
初診時の写真を見て頂くと、舌が右後ろに引っ張られ攣れています。これは、噛みあわせのバランスが悪く、右の筋、筋膜の捻じれとそれに伴い、舌骨という舌を安定させる骨のバランスが崩れた為と考えられます。写真の噛む面に着いている赤い点は、咬合紙というカーボン紙を噛んでもらい印記されたものです。一般的には濃い点が強く当たっていると判断し、噛みあわせに問題がある場合は、これが原因と判断し削る治療をしてしまいます。もし、右の濃い点が、噛みあわせの安定を阻害する問題点だと考え、削る治療をしてしまうと下顎は右奥に益々引き込まれてしまい症状は悪化します。
非常に多いのですが、噛みあわせの治療は削ることが主になり多くの症状を発現させ、悪化させてしまいます。当然のことながら、口は身体の一部です。その為、噛みあわせの変化の反応は身体の他の部分に出ます。私は、後頭部、頚部、肩甲骨の筋肉の反応で噛みあわせの高さが適正かどうか判断しています。今回の患者さんでは、症状、筋肉の反応と、右で厚く噛み応えのあるものを噛んでもらい左の歯が噛んだことから、右がかなり低いと診断しました。
治療としては、上下の噛む面に直接レジンを貼り付けて右の噛みあわせの高さを挙げることを主にしました。左は、下顎が左に戻ろうとしているのを邪魔している当たりを僅かに(数ミクロン)磨いたのみです。初診時と治療3か月後の通称パントモと言われる顎全体を撮ったレントゲン写真を比べてみると、右の高さが高くなり左右のバランスがとれたことがお分かり頂けると思います。
3か月後の写真を見て頂くと舌のつれが消失し、右だけをかなり高くしたにも関わらず咬合紙で強く印記されるのは左であるのがお分かり頂けると思います。
治療としては、上下の噛む面に直接レジンを貼り付けて右の噛みあわせの高さを挙げることを主にしました。左は、下顎が左に戻ろうとしているのを邪魔している当たりを僅かに(数ミクロン)磨いたのみです。初診時と治療3か月後の通称パントモと言われる顎全体を撮ったレントゲン写真を比べてみると、右の高さが高くなり左右のバランスがとれたことがお分かり頂けると思います。
3か月後の写真を見て頂くと舌のつれが消失し、右だけをかなり高くしたにも関わらず咬合紙で強く印記されるのは左であるのがお分かり頂けると思います。
初診時
3ヶ月後
これは、右の噛みあわせが低かった為、下顎が右後ろに引っ張られて多くの症状が出ていたものが、右の上下の高さが回復した為、顎の位置が改善したものと考えられます。
初診時
3ヵ月後
横から撮った頭のレントゲン写真では、右の噛みあわせの改善により、後ろに在った下顎が前に移動し、全体に安定しているのが見て頂けると思います。また頭の後ろの骨(後頭骨)と首の骨(環椎、軸椎)どうしの距離が広がり頭の位置が落ち着いているのもお分かり頂けると思います。当医院に噛みあわせの問題を抱え来院する患者さんの多くは、頭の付け根の違和感や、痛みを強く訴えます。私は多くの臨床経験から噛みあわせの高さと頭の後ろの付け根の筋肉とは連動していると考えています。今回の歯に対する治療は、左の歯の人工物を僅かに磨いた以外は、右の上下の歯にレジンを貼り付け噛みあわせの高さを挙げていったのみですが、顎は見て頂いたようにダイナミックに変化します。
















